act.7




 彼女はいずれ死ぬだろう。病院でコードに繋がれている姿をサンジは想った。
 「罰は受け入れます」
 サンジのただひとりの上司は悠々と首を傾げる。
 「罰?」
 「俺は任務を失敗した。よってゾロとの任務も失敗、つまりノルマはこなせなかった………でも今回の一件だけだ。ゾロは関係ない。」
 サンジは努めて硬い調子で言いきった。ともすれば懇願してしまいそうだったからだ。どうか、ゾロだけは。そう祈るように口にしそうで、でもそれは事態を良くするわけではない。
 両腕を後ろで組んで直立不動しているサンジを男――といっても彼に性別はないのだが――は対照的に高い所に座りながらじっと見下ろす。
 「だから?」
 つまらなそうな言葉は哀れみや呆れというより、どこか楽しそうだった。
 「どうか、処罰は俺だけに…」
 プライドなんて何の役にも立たない。サンジはただ頭を垂れて彼の決断を待っていた。





 サンジが投獄されたとゾロが聞いたのは、そうなってからしばらく後だった。上司はこれまた楽しそうに告げ、その様子に毒気を抜かれたゾロは行動を起こすのをやめてしまった。
 待機を申し付けられただ待つ日々。
 それは待つというよりどこかモヤモヤした得体の知れない不安に常に苛まれる、苦手な時間。これが投獄に代わる罰なのかもしれない、とゾロは気付いた。
 サンジは檻の中で何を想うのか。離別の妄想は別の形で実現したが、それは想ったよりもあっけないものだっただろう。それがわかるのなら、あんな無駄なことを考えるはずもないか。――などとサンジのことばかり考えているのだから、待機するより他もなく、ゾロはただ待った。
 側に居てやりたいのに。
 お互いのふがいなさに苛立つ。そして二度と接触するなと命令されたら、迷う事はないな、と苛立ちをエネルギーに覚悟を決めた。





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