[春(ながめる)]
親友と元彼氏に春が来た。
サンジはあんな風に可愛らしく赤面するような男だっただろうか。ナミと一緒に居てもどこか余裕ぶっていたのに。今ではあんなに素直に感情を表している。
ゾロは他人に領域を乱されたことなんか無かった。少なくとも今までの男たちや友人に絶対的な場所――剣道と睡眠――を許したり邪魔されたりはしなかった。ナミは意図してゾロを振り回すが、ゾロが勝手に振り回されるのはサンジだけなのだ。
気軽に呼び出せる相手が一遍にいなくなってしまいナミとしては少しつまらない気がする。期待していたくせに、身勝手な感情だ。
また朝の茶会を催したら二人は怒るだろうか。だったら怒らせておこう。こんなに良い女を放ったらかしにするあいつらが悪いのだ。
ナミは携帯電話を取り出して新規メールの画面を開く。
<明日の朝、行ってもいい?>
送信するとすぐに返事が来た。午前二時はちょうどサンジの仕事終わりの時間なのだろう。
<OK 朝飯は?>
お願いね。そうボタンを押しながら次に返ってくるだろう文面は想像がつく。
いつまで経っても、ナミに――いや女に甘い男なのだから。
ゾロの変化・サンジの変化