[三寒四温R]



 「それで?」

 二月の終わり、三寒四温の時期になりつつある。今日はまだ空気が冷たいのでロビンはカーディガンを来たままエプロンをつけて仕事をしていた。花屋は真冬だろうと冷水に手を浸けなければならないため体が冷える。けれどロビンは温度変化に強いので特に体調を崩したりしないし、かわいいおとうとはわざわざ手荒れ防止にハンドクリームをプレゼントしてくれたりするので冬は割合好きだ。
 注文されている花束を作りながらロビンは話の続きを促した。
 「何て言ったの?」
 黙ったままのサンジは紅茶を飲んでいる。
 彼が口を開くまでロビンの扱うハサミの音とストーブの活動音だけがしていた。

 「…わかった、って言った」
 「じゃあ付き合うのね」
 「う、でも…俺、そいつのこと…そういう風に見たことないんだよ?」
 珍しく弱気な声を隠さないサンジにロビンは笑ってみせた。
 「きっとこれからは意識するようになると思うけど?」
 そうしたらきっとサンジは彼のことを本当に好きになる。元々好きなのだから、後は気付けばいいだけだ。

 サンジは全然自分のことをわかっていない。自分にどれだけ魅力があるかも本当のところでわかっていないし、自分が彼を実は“そういう風”に好きだということも、まるで気付いていない。
 ロビンはそれに気付いているから何も心配はしていないのだ。
 「大丈夫よ。彼の言う通り、あなたが彼を恋人として愛せるまで、ゆっくり付き合っていけばいいわ」
 そうすればサンジは今よりもっと彼を好きになる。
 ロビンは半ば確信している。これはかわいいおとうとを幸せにする出会いだと。