[助け舟は来ない]
『で、それは行った方がいいわけ?』
「わかんねえから訊いてんだ!」
先程の電話の内容を告げたゾロに返ってきたのは冷たい溜息だった。それもそうだろうとゾロもわかっている。ナミを引き合いに出す時点で逃げているのだから。
『あたしが取り持つべきなんでしょうけど、それじゃサンジくん喋りづらいと思うのよね。多分二人で話したほうがスムーズにいくわ』
「あいつは何を言うつもりだ?」
『まあストレートに訊かれるか、的外れなことじゃないの?』
つまり自分が好きなのかと詰問されるか、まったく関係ないことか。窮地か進展無しか。
どちらにしてもゾロには針のむしろのような気がした。
『サンジくんて、矛盾してんのよね。気が利くし聡いんだけど、鈍感で無頓着なのよ』
だから読めないわ。
無責任な発言をしたナミは最後に付け加える。
『あたしは欠席にしておいて。理由は“今日は忙しい”』
ゾロは裁判の被告人席に立たされる気分になりながら通話を終了した。
数時間後、ナミの言うことは正しいと知る。