[弱み]
サンジはストレートな物言いに弱い。サンジ自身が何かと回りくどい性格なせいもあって憧れるスタンスなのかもしれない。だから、サンジにとってゾロのようなすっぱりとした男らしさは手を伸ばしたくなるほど羨ましい。
そんなゾロに、会いたいだなんて言われれば断れるはずもない。
電話があったのは風呂上がりだった。ちょうどバスタオルを取ったところで着信音が鳴ったため拭くのもそこそこに電話にでた。それで第一声だ。毛先からぽたぽたと落ちる水滴を見ながら部屋の暖房を切った。
髪が濡れたまま二月の夜中に外出するのは危険だと思うが、仮にも恋人が会いたいと呼ぶのだからサンジとしては行かないわけにはいかないのだ。それができたての恋人で元友人の男であろうと。
そんなわけで生乾きの頭のまま裏起毛のパーカーやらコーデュロイのパンツやらダッフルコートやら、温かそうな格好を適当に着たらやたら子供っぽくなったのだが特に気にしないでスニーカーを履いた。普通恋人に会うなら服装には当然気を遣うものだ。けれどゾロ相手にそういった心遣いはあまり必要ない気がしたのであえて無視した。
それよりも彼が凍えないようにしよう。
冷たい夜に一人でいるのは寒すぎるから、一秒でも早く。