[コンタクト]



 『もしもし』
 「俺。会いてぇ」
 『…お前ってそんなキャラだったっけ』

 電話の向こうの声は完全に呆れている。

 午前二時。ゾロは相手が今まさしく仕事が終わったところで起きているのを確信してかけている。次の日が休みであることもわかっている。こう言えば断らないだろうとも予測済みだ。
 『俺もう家なんだけど、また迎えに行ったほうがいいか?』
 「駅に行きゃいいのか?」
 『うん』
 うん、って。かわいいなオイ。
 思っても口には出さない。ゾロはサンジのこういう、気を許しているのか時々幼い口調になるところが相当ツボだ。
 『じゃ、行ってやるから早く来いよ?夜中に突っ立ってたら凍え死ぬ』
 お互い会話が素っ気ないのは、そう繕っている気がしてその歯がゆさが嬉しい。意識しているのが伝わる。ゾロは元々意識しているので慣れた感覚だがあちらは変な心地だろう。その不自然さが現実の状況を思い知らせてくれて俄に浮き立ってしまうのを隠せない。
 そしてその不自然がいつか自然になってくれれば。
 贅沢にもそう願ってしまう。

 「酒でも飲んでから来い」
 そうしたらこっちのもんだ。あの日のサンジの酒量を思い出してにやりと笑った。