[魔法]



 ゾロはいきなりビールを開けた。空きっ腹だとかツマミだとか、何もいらないらしい。やっぱり大酒飲みなんだな、とビニール袋の中をちらりと見てサンジは思った。
 とりあえず自分のためにもツマミを作ろう。あんなのに付き合っていたら一時間で倒れてしまう。サンジはキッチンで食材とメニューを組み立てるとさっさと動き始める。
 「俺しか居ないんだから料理しなくてもいいだろ、座って飲めよ」
 缶を片手にゾロがキッチンの入り口に立っていた。サンジは一度視線を向けてからまた料理に向き合って作業を進める。
 「俺は料理が好きなんだよ、放っとけ。すぐ済む」
 切って、和えて、味をつける。その間に味付きの肉ともやしを炒める。これで二品だ。
 「ほれ、できた」
 振り向いたらゾロがビールを飲み終わったところだった。
 「…魔法みてぇ」
 驚いた顔がサンジには最高に誇らしかった。





また短い