[報せ]
『今日そっちにサンジくん行くわよ、仕事終ってからだから…二時くらいかな』
「はぁ!?」
思わずでかい声をだしてしまって道行く犬連れの人が振り向いた。明かりの少ない夜道で、ゾロは出勤中だ。
『コンビニ教えといたから』
「なんで!」
勝手なことしやがってと言いそうになった。思いとどまったが気持ちは伝わっていることだろう。それでも電話の向こうは自分が正しいことを譲らないだろうからまったくこたえていないだろうが。
『サンジくんがね、ゾロを心配してたの。最近見てないって』
「…なんで…」
同じ台詞でも内容を聞けば自ずとトーンが落ちた。
『携帯も知らないのがショックだったみたい。友達って言えないって。良かったじゃないアンタ友達と思われてて』
そう言われれば教えてなかった。何故ならゾロは携帯電話をナミとの連絡・バイト・道場関連にしか使っていないからである。ナミ以外の知り合いはゾロに会いたければナミを通したほうが早いと思っているから別に知らなくても構わないと考えているらしい。
だが、最後の台詞は聞き捨てならない。
「友達?」
自分たちははたして友達と言えるような関係だっただろうか。知り合って然程経っていないし二人でどこかに行った覚えもない。サンジの職場を尋ねる以外で会うならば必ずナミがいる。唯一違ったのは、あの駅前での邂逅くらいか。
ともかくゾロはサンジと友達になったつもりはなかった。精々知り合いくらいで、そこまで深い付き合いの気ではなかったのだ。
『うん、でもサンジくんは男と仲良くしないからアンタくらいでも友達なのよ』
「そうなのか?」
『あんたたち…全然お互いのこと知らないのね。サンジくんは女なら全員オッケーだけど、男は気に入らなきゃ声もかけてやらないのよ?』
「俺には別に普通だぞ」
『だから!気に入られてんでしょ!よく考えたら望みあるのかも』
何言ってんだこいつは。